ゲノム編集とは
近年、様々な生物種において標的遺伝子を改変する技術として、人工DNA切断酵素を利用した"ゲノム編集(Genome Editing)”が注目されています。人工DNA切断酵素には、DNAに特異的に結合するドメインと制限酵素FokIのDNA切断ドメインを連結させた人工ヌクレアーゼ(ZFNやTALEN)やRNAをガイドとするRNA誘導型ヌクレアーゼ(CRISPR-Cas9)があります。人工ヌクレアーゼでは、ひと組の酵素が近接する標的配列に結合するとDNA切断ドメインが2量体となりDNAを切断します。一方、RNA誘導型ヌクレアーゼでは、ガイドとなる一本鎖の短鎖RNAとCas9ヌクレアーゼが複合体を形成し、標的配列をもつDNA切断します。細胞内で切断されたDNAは、相同組換えあるいは非相同末端連結により修復されますが、この時に目的の遺伝子の改変(遺伝子ノックアウトや遺伝子ノックイン)が可能となります。任意の塩基配列の改変が可能であることから、次世代の遺伝子改変技術として注目され、様々な微生物、培養細胞、動物や植物において成功例が報告されています。
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ゲノム編集とは?
<参考書>
ゲノム編集の基本原理と応用(山本 卓著)、裳華房、2018年
ゲノム編集入門(山本 卓編集)、裳華房、2016年
ゲノム編集の衝撃、NHK出版、2016年(科学ジャーナリスト賞2017受賞)