広島大学大学院理学研究科 数理分子生命理学専攻

魅力ある大学院教育イニシアティブ

全体像 カリキュラム ジョイント研究

平成17年度 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ
広島大学 理工農系 b035「数理生命科学ディレクター養成プログラム」

ホームページ 教育プログラム及び審査結果の概要

全体像

大学全体としての位置づけ

広島大学は、「世界トップレベルの特色ある総合研究大学」を目指し、その実現のため学士課程教育および大学院教育の質的向上を図ってきた。学士課程の教育においては、平成18年度から、到達目標型教育の下での教育プログラムによって、基礎力と応用力を兼ね備えた柔軟性に富む人材の育成が開始される。さらに、大学院においては、研究と直結した教育を充実させ、国際的に活躍できる研究者を養成するとともに、実践的な教育により社会的・国際的に通用する高度専門職業人の養成を目指している。本申請の「数理生命科学ディレクター養成プログラム」は、広島大学が目標とする国際的競争力をもった研究者と高度専門職業人の育成を実現するための優れたプログラムである。プログラムを実施する理学研究科数理分子生命理学専攻は、平成11年の大学院重点化において新設された専攻であり、これまでに生命科学と数理科学の融合分野(数理生命科学)の教育研究において十分な成果をあげている。広島大学では、この実績をもとに数理分子生命理学専攻が申請するプログラムを支援し、全学での大学院教育の実質化を推進していく。

これまでの教育研究活動の状況(現在まで行ってきた教育取組について)

数理分子生命理学専攻では、複雑系の典型である生命現象に焦点を当て、生命科学と数理科学の融合分野(数理生命科学)の新しい教育研究を行ってきた。本専攻の学際性(専攻は実験的解析を中心とした生命科学グループと理論的解析を中心とした数理計算理学グループから構成される)を生かし、(1)新しい分野を切り開く意欲ある学生の受入、(2)生命科学と数理科学の入門的講義および先端研究の成果を盛り込んだ数理分子生命理学セミナーの実施、(3)数学および化学、生物学、数理生命科学の専門的研究指導、を行ってきた。これらの取組みによって、生命現象を実験的解析および数理的解析によって探求できる学生の育成が進行しつつある。

魅力ある大学院教育への取組・計画

本プログラムは、これまで数理分子生命理学専攻が実施してきた生命科学と数理科学の融合的教育研究を発展させることによって、博士課程前期からは自らの力で研究を実行する能力を身につけた数理生命科学ディレクターを、博士課程後期からは自らの力で研究を実行することによって、新しい研究を創成する能力を身に付けた数理生命科学ディレクターを養成するものである。
本プログラムの特徴は、異分野に対して柔軟に対応できる創造的研究者養成のシステム化にあり、以下のような独創的な取組を実施する。

  1. 個々の学生に応じたカリキュラム(オーダーメイドカリキュラム)による個性ある基礎力の育成
    専攻の必修科目と知的財産権などの周辺領域の科目(サテライトカリキュラム)に加えて、選択科目から自身に必要なカリキュラムをオーダーメイド方式で構築させる。これにより、研究に必要な実験的・理論的知識のみならず研究プロジェクトの運営に必要な知識の獲得を意識させる。
  2. 数理系と生命系のペアリング・リサーチによる学生主導型の実践的研究の計画と実施
    実践的研究(博士課程前期の数理-生命ジョイントプロジェクト研究、博士課程後期の公募型プロジェクト研究)では、研究計画書の作成、研究に必要な経費の管理、研究報告など研究の実施・運営に必要な一連の過程を正・副指導教員により指導する。研究体制は、専攻の特徴を生かして、数理系と生命系の学生をペアリングし、数理生命科学分野のテーマを選択・実行する。これにより、数理生命科学研究を基礎とした融合を図り、お互いの考え方やリテラシー、『文化』の違いを体得させ、社会が必要とする異分野に柔軟に対応でき、失敗から立ち直る力のある人材を育成する。
  3. 「アカデミックポートフォリオ」による本プログラムの質的管理およびプロセス管理
    講義担当者および正・副指導教員は、個々の学生の履修履歴、観点別評価を含む成績評価、評価の所見をファイルしたアカデミックポートフォリオを作成し、厳密な評価とプロセス管理を行う。
    本プログラムは、研究とその運営に関する知識を身に付けた研究者(ディレクター)を養成するのみならず、研究周辺領域の知識を修得することよって、社会との架け橋となる科学メディエーターや科学ライターなどのノンアカデミック・キャリアパスの確立を図る。

履修プロセスの概念図

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カリキュラム

博士課程前期プログラム

このプログラムの修了認定要件は、数理分子生命理学専攻の修了要件(30単位)を充たしており、数理-生命ジョイントプロジェクト研究知的財産権概論技術経営概論IT概論科学リテラシー概論および科学英語を履修していることです。その他の単位については、指導教員と相談の上、決定していきます(オーダーメードカリキュラム)
数理-生命ジョイントプロジェクトでは、数理系の学生と生命系の学生がペアとなって実践的プロジェクト研究を行います。このプロジェクト研究は、特別研究へ読み替えることができます。6つの概論科目科学英語は、数理生命科学の研究者となるものにとって重要な知識とスキルを身につけるためのものです。

博士課程後期プログラム

博士課程後期では、即戦力の数理生命科学の研究者を養成するために、上記の概説科目に加えて知的財産権特論および科学リテラシー特論、さらに実践的プロジェクト研究として公募型研究を行います。公募型研究ではプロジェクト研究に加え、申請書類の書き方、プロジェクト運営方法等、研究者として必要なスキルを身につけていきます。

年次
科目区分
単位数
授業科目
備考
博士課程
前期
1
専門的教育科目
2
生命理学概論
専門的教育科目
2
数理計算理学概論
専門的教育科目
2
科学英語
専門的教育科目
4
数理-生命ジョイントプロジェクト
専門的教育科目
1
知的財産権概論
専門的教育科目
1
技術経営概論
2
専門的教育科目
1
科学リテラシー概論
集中:美馬のゆり
専門的教育科目
1
ITを用いた科学学習の環境デザイン論
集中:山内祐平
専門的教育科目
2
数理-生命ジョイントプロジェクト
博士課程
後期
3
専門的教育科目
4
公募型研究
専門的教育科目
1
知的財産権特論
4
専門的教育科目
8
公募型研究
専門的教育科目
1
科学リテラシー特論
集中:渡辺政隆

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ジョイント研究

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