概要
本プログラムは、これまで数理分子生命理学専攻が実施してきた生命科学と数理科学の融合的教育研究を発展させることによって、博士課程前期からは自らの力で研究を実行する能力を身につけた数理生命科学ディレクターを、博士課程後期からは自らの力で研究を実行することによって、新しい研究を創成する能力を身に付けた数理生命科学ディレクターを養成するものである。
本プログラムの特徴は、異分野に対して柔軟に対応できる創造的研究者養成のシステム化にあり、以下のような独創的な取組を実施する。
- 個々の学生に応じたカリキュラム(オーダーメイドカリキュラム)による個性ある基礎力の育成
専攻の必修科目と知的財産権などの周辺領域の科目(サテライトカリキュラム)に加えて、選択科目から自身に必要なカリキュラムをオーダーメイド方式で構築させる。これにより、研究に必要な実験的・理論的知識のみならず研究プロジェクトの運営に必要な知識の獲得を意識させる。 - 数理系と生命系のペアリング・リサーチによる学生主導型の実践的研究の計画と実施
実践的研究(博士課程前期の数理-生命ジョイントプロジェクト研究、博士課程後期の公募型プロジェクト研究)では、研究計画書の作成、研究に必要な経費の管理、研究報告など研究の実施・運営に必要な一連の過程を正・副指導教員により指導する。研究体制は、専攻の特徴を生かして、数理系と生命系の学生をペアリングし、数理生命科学分野のテーマを選択・実行する。これにより、数理生命科学研究を基礎とした融合を図り、お互いの考え方やリテラシー、『文化』の違いを体得させ、社会が必要とする異分野に柔軟に対応でき、失敗から立ち直る力のある人材を育成する。 - 「アカデミックポートフォリオ」による本プログラムの質的管理およびプロセス管理
講義担当者および正・副指導教員は、個々の学生の履修履歴、観点別評価を含む成績評価、評価の所見をファイルしたアカデミックポートフォリオを作成し、厳密な評価とプロセス管理を行う。
本プログラムは、研究とその運営に関する知識を身に付けた研究者(ディレクター)を養成するのみならず、研究周辺領域の知識を修得することよって、社会との架け橋となる科学メディエーターや科学ライターなどのノンアカデミック・キャリアパスの確立を図る。