今年の14名の招待講演は、分子レベルから細胞・組織まで階層を上げていくという趣向で、講演順を決めました。 総合討論では、生物の階層性を取っ掛かりに議論の展開を目論みましたが、 理論的な観点と実験的な観点からの「ビッグ」データの良し悪しや、 細胞内「情報」に対する情報熱力学理論の情報理論的枠組みと、 実験家が感じている生物が自由エネルギーを効率よく使った結果顕在化している情報伝達のリアリティ、 この両者の溝に関する活発な議論が展開されました。 理論家と実験家の活発な交流という研究会の目的は無事達成されました。 約40名のご参加者のみなさまに感謝いたします。
日時: 2015年10月8日（木）-9日（金）
場所: 広島大学理学部E棟203（大会議室）
東広島キャンパスへのアクセス 会場への地図
生命科学の発展は実験技術の発展と切っても切れません。 分子を観て・測り・操ることができるようになってきたことは、その技術を支える理論の成熟を意味しています。 しかしながら、得られた結果の解析や解釈に関わる理論は未だ発展途上です。 統計学、情報科学、シミュレーション科学といった数理科学の応用が単なる実験データ解析で留まらずに、生命科学における新しい概念や視点を創出していく原動力となっていくべきです。 生命科学と数理科学の連携が必須であることは書くまでもありませんが、お互いの分野の現状の限界やその先を積極的に共有しなければなりません。 そこで、二つの領域の統合的視座からの積極的な交流の場として、研究会「理論と実験」を定期的に行なってきました。 広島大学は「酒都」東広島市西条に近く、実験家と理論家の交流にふさわし場です。 是非、研究会「理論と実験」２０１５にご参加ください。
タイムテーブル（講演時間25分、ディスカッション5分）| 10月8日（木） | ||
|---|---|---|
| 12:00 - | 開場＆受付 | |
| 13:00 - 13:10 |
新海 創也 （広島大学RcMcD） |
開会の辞 |
| 13:10 - |
古寺 哲幸 （金沢大学理工研究域バイオAFM先端研究センター） |
Direct observation of intrinsically disordered proteins by high-speed atomic force microscopy |
| 13:40 - |
栃尾 尚哉 （広島大学RcMcD） |
NMR shows multiple timescale motions in proteins |
| 14:10 - |
FLECHSIG Holger （広島大学大学院理学研究科） |
Conformational dynamics of molecular machines and motors from coarse-grained elastic network modeling |
| 14:40 - 15:00 | 休憩 | |
| 15:00 - |
岡本 憲二 （理化学研究所） |
Single-molecule FRET measurement to acquire structural distribution of Raf in living cells |
| 15:30 - |
田宮 裕治 （北海道大学大学院理学院） |
The temperature dependence and non-equilibrium properties of the single F1-ATPase kinetics |
| 16:00 - 17:30 | ポスターセッション | |
| 17:30 - 18:00 |
安井 真人 （理化学研究所） |
Development of AISIS |
|
18:15 - 18:30 - 21:00 |
理学部前からバス送迎 懇親会 |
会費：3,800円、飲み放題コース＠ 次郎丸 |
| 10月9日（金） | ||
| 10:00 - |
並木 繁行 （東京大学大学院医学系研究科） |
神経伝達物質放出制御を担うシナプス分子のナノアーキテクチャ |
| 10:30 - |
斉藤 稔 （東京大学大学院総合文化研究科） |
双方向性を示すキネシンの数理モデル |
| 11:00 - 11:10 | 休憩 | |
| 11:10 - |
国田 勝行 （東京大学大学院理学系研究科） |
骨格筋におけるインスリンシグナル伝達の時間情報コード |
| 11:40 - |
伊藤 創祐 （東京工業大学大学院理工学研究科） |
シグナル伝達における情報熱力学の理論的進展 |
| 12:10 - 13:30 | 写真撮影＆昼食 | |
| 13:30 - 14:50 | ポスターセッション | |
| 14:50 - |
宇田 新介 （九州大学生体防御医学研究所） |
トランスオミクス解析のための疎偏相関行列の推定 |
| 15:20 - |
李 聖林 （広島大学大学院理学研究科） |
Lateral inhibition-induced pattern formation controlled by the size and geometry of the cell |
| 15:50 - 16:00 | 休憩 | |
| 16:00 - |
石本 志高 （秋田県立大学システム科学技術学部） |
Bubbly vertex modelによる粘弾性組織力学 |
| 16:30 - 17:00 |
津川 暁 （北海道大学電子科学研究所） |
細胞内レベルでの微小管配向の抽出 |
| 17:00 - 18:00 | 休憩 | |
| 18:00 - 21:00 | 総合討論 |
司会進行：冨樫 祐一、菅原 武志、新海 創也（広島大学RcMcD） パネリスト：招待講演者陣 招待講演者をパネリストに迎えて、 「階層性の中の情報伝達」および「細胞の多様で柔らかな応答機構」等をテーマに、 理論家と実験家の垣根を越えた討論を行います。 会費 1,700円（お酒飲む人）・1,000円（お酒飲まない人） |
ポスター講演（サイズはA0縦が入る大きさです。）
| 1 |
李 聖林 (広島大学大学院理学研究科) |
Positioning of polarity formation by extracellular signal during asymmetric cell division |
| 2 |
木下 修一 (武蔵野大学工学部) |
非一様興奮場上の伝播現象 |
| 3 |
廣島 通夫 (理化学研究所) |
EGF受容体の細胞膜上動態がシグナル伝達を制御する |
| 4 |
田宮 裕治 (北海道大学大学院理学院) |
The temperature dependence and non-equilibrium properties of the single F1-ATPase kinetics |
| 5 |
津川 暁 (北海道大学電子科学研究所) |
細胞内レベルでの微小管配向の抽出 |
| 6 |
前田 亮 (理化学研究所) |
上皮成長因子受容体(EGFR)の膜貫通および膜近傍ドメインの構造ダイナミクス解析 |
| 7 |
柳川 正隆 (理化学研究所) |
生細胞膜上の1分子拡散動態に基づくGPCRの活性推定 |
| 8 |
梅木 伸久 (理化学研究所) |
Ras-RalGDS相互作用の1分子蛍光観察 |
| 9 |
古寺 哲幸 (金沢大学理工研究域バイオAFM先端研究センター) |
Direct observation of intrinsically disordered proteins by high-speed atomic force microscopy |
| 10 |
原 裕貴 (山口大学大学院医学系研究科) |
細胞核サイズのスケーリング |
| 11 |
伊藤 有紀 (東京大学大学院理学系研究科) |
RNA-seq解析によるマウス肝臓におけるグルコース応答性遺伝子の探索 |
| 12 |
藤井 雅史 (東京大学大学院理学系研究科) |
スパインにおけるロバストな情報伝達のメカニズム |
| 13 |
難波 利典 (広島大学RcMcD) |
Chemotactic accuracy in bacteria: adaptation and temporal sensing mechanism |
| 14 |
中川 正基 (広島大学RcMcD) |
触媒反応ネットワークにおける少数性効果を記述する |
| 15 |
新海 創也 (広島大学RcMcD) |
一分子ヌクレオソーム動態が示すクロマチンドメインの構造情報 |
| 16 |
菅原 武志 (広島大学RcMcD) |
Chemophoresis: a driving force of intra-cellular transports |
| 17 |
冨樫 祐一 (広島大学RcMcD) |
アクティブに構造変化する高分子系−クロマチン構造機能相関のモデルとして |
| 18 |
岡本 憲二 (理化学研究所) |
Single-molecule FRET measurement to acquire structural distribution of Raf in living cells |
| 19 |
亀田 健, 勇 修平 (広島大学理学部, 同大学院理学研究科) |
粗視化モデルを用いたDNAの構造・運動・機能の関係性の解析の試み |
| 20 |
黒瀬 友太, 竹本 あゆみ (広島大学理学部, 同大学院理学研究科) |
左右非相称性決定機構の起源をたどる |
参加予定者（随時更新中）:
冨樫祐一、菅原武志、中川正基、難波利典、新海創也、藤井雅史、伊藤有紀、国田勝行、宇田新介、原裕貴、
伊藤創祐、古寺哲幸、佐甲靖志、岡本憲二、梅木伸久、前田亮、柳川正隆、小松崎民樹、津川暁、田宮裕治、
並木繁行、都築拓、廣島通夫、安井真人、FLECHSIG Holger、斉藤稔、木下修一、李聖林、栃尾尚哉、石本志高、
西森拓、亀田健、勇修平、相沢慎一、黒瀬友太、竹本あゆみ、田邊章洋、粟津暁紀、柴田達夫
参加ご希望の方は、
・お名前
・ご所属
・ご連絡先メールアドレス
・ご希望講演スタイル（口頭 or ポスター or なし）
・８日の懇親会に参加/不参加
・９日の総合討論に参加/不参加、お酒を飲む/飲まない
をご記入の上、
新海(soya(at)hiroshima-u.ac.jp)までメールを送信してください。
各研究室でまとめて連絡していただいても構いません。
宿泊案内:
開催が酒まつりの前日のためホテルの確保は早めにしてください。
数部屋ですが学内の宿泊施設をおさえてあります。
先着順での対応になりますが、希望があればご連絡ください。
・広島大学 学士会館
シングル(一泊 3,800円)
学士会館の予約受付は終了しました。
最終更新日: 2015.10.05